クスコでのデモについて

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cusco_demo3.JPG2015年10月21から22日にかけて、クスコで観光地の民営化に反対する大規模なデモが起きました。

このデモの影響で、1万人ほどの観光客に影響が出て、多くの人がマチュピチュに行くことが出来ませんでした。ペルーレイル社、インカレイル社共に、両日運休となったためです。マチュヨでも、2011年にサービスを開始して以来初めてのことですが、1人のお客様のマチュピチュ観光が不可能となる事態になりました。非常に残念に思っています。

私は好きでペルーに住んでいるので、あまり悪口を言いたくはないのですが、今回のデモには少なからぬ怒りを覚えています。このデモにおいて抗議している内容は至極もっともなものです。しかし、それにより観光客に影響が出てしまうことは避けられなかったのでしょうか。ましてペルーは観光立国なのに、わざわざペルーまで来てくれたお客様のマチュピチュ観光を不可能にしてしまうというのは到底あってはならないことです。

夫婦喧嘩を客前でしてしまう個人商店のよう

動画は私が撮影したもので、クスコの目抜き通りであるアベニーダ・エル・ソル通りの市役所の側の様子です。デモを先導する人が「オリャンタ(ペルーの大統領の名前)に聞こえるようにもっと大きな声で叫ぶんだ!」と煽っていました。ソル通りには観光施設やレストラン、カフェが立ち並んでいます。デモ自体は暴動も無く行われていましたが、大勢の観光客の前で行うのはペルーの恥だとは思わないのでしょうか。

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今回のデモの告知は、実施日のほんの数日前で、ペルーレイルとインカレイルはデモ当日の運行を休止するかどうかはデモ前日に発表するとしていました。そのため、多くの観光客はマチュピチュに行くことが出来るかどうか分からないままクスコを訪れることになりました。前日になってペルーレイルとインカレイルはデモ当日の運休を宣言したため、その日程でクスコを訪れた人たちはマチュピチュに行くことが適わず、デモで騒然としたクスコの街を見学することしか出来ませんでした。

cusco_demo4.JPGデモのとばっちりを恐れて、アルマス広場の店やレストランも軒並みシャッターを閉めてしまいました。マチュピチュに行けなかった観光客はレストランさえ満足に選ぶことが出来ない状況でした。本来、デモは政府に向けて行われるもので、観光客に影響が出るべきではないと私は思います。観光業で生活している人たちが観光客のことを考えずにデモを行ったというのは、「夫婦喧嘩を客前で披露してしまった個人商店」のようだと感じます。ペルー内部で処理すべきことを関係の無い人の前でお披露目してしまったのです。

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デモのもたらしたもの

デモの結果として、観光地の民営化を進める法案は撤廃に向けて国民の世論が動いているので、デモの効果があったということができるでしょう。ペルーは、以前にマチュピチュに行くための唯一の交通手段である鉄道を民営化したために、大きな民間の不利益や腐敗が生じました。現在この鉄道はペルーレイル社のほぼ独占状態となっており、ペルーレイル社は鉄道料金に法外な値段を設定し、かつ毎年数ドルずつの値上をしてきました。

ペルーレイル社の資本の半分はオリエント・エクスプレスやホテルで有名な英国ベルモンド社が所有しています。ペルーレイルの超高額な鉄道料金はベルモンド社の高級志向の弊害であり、マチュピチュ旅行をする人の大きな金額的負担となっています。(レールを管理しているのは別会社で、そこが毎年保守の金額を吊り上げているという話もあります。)もし、観光地の民営化が実行されていたなら、マチュピチュの入場料も観光客が来なくなるまでどんどんつり上がってしまったことでしょう。

今回のデモに関連した一連の騒動から、ペルーはまだまだ観光業のレベルを上げる必要があることを実感しました。最近は高級ホテルが建設されたり、サービスの良いレストランなども増えてきて、クスコの観光の質は向上しつつあります。ですから、他の分野もだんだんレベルが上がってきて、観光客に優しい「おもてなし」が出来る観光地になって欲しいものです。