[STAR WARS]ハット語はケチュア語?ちょっと検証してみました

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スターウォーズの架空の言語ハット語はケチュア語なのか

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ファンじゃなくてもご存じジャバ・ザ・ハット

スターウォーズ・マニアの間では有名な話らしいのですが、ジャバ・ザ・ハットというスターウォーズのキャラクターと同じ星の人たちが話す言語「ハット語」が、実はペルーのインディオの言葉である「ケチュア語」から作られているという話を聞きました。
そして、すごいことにこの映画中の架空の言語である「ハット語」を学習して辞書を作ったり、ハット語で詩を読んだりするような熱烈なスターウォーズ・ファンがいるのだとか。
クスコに住むケチュア語学習者としては、なんとしても確かめてみたいところです。
それで、ジャバ・ザ・ハットが話す言語、通称「ハット語」(英語:Huttese ハッティーズ)の登場シーンを端から調べて、それがケチュア語なのか、そもそもめちゃくちゃに話しているだけではないのかゆるーく検証してみました。

ハット語登場シーンの基本情報

色々なサイトの情報を合わせると、映画中の「ハット語」とは犯罪組織ボスのジャバ・ザ・ハットの母星である「ナル・ハッタ(Nal Hutta)」に住むハット族の言語だということです。
(細かい設定があるんですね)
しかし、このナル・ハッタという星は映画中には出てきません。(たぶん)

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ハット語が登場する乾いた感じの星タトゥイーン

それで、ハット語はジャバ・ザ・ハットが犯罪カルテルの拠点としていた惑星「タトゥイーン(Tatooine)」が登場するシーンにて、主に話されているようです。
このタトゥイーンはスターウォーズ・シリーズの主人公であるルーク・スカイウォーカーやアナキン・スカイウォーカーの故郷でもあり、度々映画に登場します。
タトゥイーンが劇中に登場するのは、EP. 4 「新たなる希望」、EP. 6 「ジェダイの帰還」、EP. 1 「ファントム・メナス」、EP. 2 「クローンの攻撃」の4作品となります。

それでは、ハット語が登場するシーンをそれぞれ調べてみましょう。

エピソード4 / 新たなる希望 でのハット語

複数のスターウォーズマニアのサイトによると、ハット語が作中に最初に登場するのはEP. 4 にて賞金稼ぎのグリードがハリソン・フォード演じるハン・ソロに接近した時だということです。
しかし、私はそれよりも前のシーンにてケチュア語が元であろう台詞のシーンを発見してしまいました。
ケチュア語だからハット語だろうとは言い切れないわけですが、おそらくこのシーンがハット語が最初に登場するシーンなはずです。
そして探した限りでは、この情報はどのスターウォーズ関連のサイトにも載せられていません。
(私が最初かな???)

EP.4 RA-7のケチュア語

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プロトコル・ドロイド RA-7

 

そのシーンは、エピソード4の序盤(私が見た動画だと14分あたり)でR2D2がジャワ族に捕らえられ、ドロイドの倉庫に投げ込まれる場面です。
そこで登場する昆虫のような顔をしたドロイド「RA-7」(より正確には3B6-RA-7と言うらしいです)がケチュア語らしき言葉を話します。

R2-D2が倉庫に投げ込まれた時に、RA-7が最初に言うセリフがこちら。

***ta hatarichisunchis (***タ ハタリチスンチス)

*米印部分はよく聞き取れない、もしくはよく分からない部分です。
しかし確実に聞き取れる部分は、ケチュア語そのものです。
ta は日本語の助詞「を」と同じ働きをするもので、hatarichisunchisは「立ち上げましょう」という意味です。
ですから、この文は「***を立ち上げよう」と言っているように聞こえます。

このセリフから十秒ほど後にR2-D2が動き始めた時に、RA-7が再度発言する台詞がこちら。

llaqta wasita ruwasun (リャクタ ワシタ ルワスン)

llaqta は村のこと、wasi は家のこと、ta は先ほど説明した助詞、ruwasun は「やりましょう」と言う意味です。
もしかしたらllaqta wasitaではなく、llaqtamasiytaと言っているのかもしれず、その場合「同郷の人」という意味です。
いずれにしても、意味のなさない文であるにも関わらず、はっきりケチュア語に聞こえます。

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扉が開いてジャワ達が入ってくるときにケチュア語を話す

その後、ストームトルーパーによる捜索シーンを挿み、ジャワのサンド・クローラー(大きいキャタピラの乗り物)にルークたちがドロイドを買いに来るシーンでもう一度RA-7が発言します。

Chaymantaqa (チャイマンタカ)

chaymanta は「それから」というような意味の接続語で、qa は強調するときなどにつけられます。
このセリフも意味がない感じですね。

EP.4 Greedoのハット語

ハット語が作中に初登場する場面として有名な賞金稼ぎグリード(Greedo)の登場シーンは、酒場でのハン・ソロとの会話となります。
動画では50分あたりから1分程度の会話があります。

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ハット語での初めての長い台詞の登場シーン

この会話の台詞は複数あり、ケチュア語として聞くと意味がないだけでなく、別の言語(おそらく創作)と混ぜ合わされており、ほとんどわかりません。
聞き取れない、もしくはわけのわからない台詞は飛ばして、分かる範囲で書き出してみます。

Kuna tuta Solo? (クーナ トゥータ ソロ?)
Jabba waninchi qoqpa wishani kaytanmi wañarusqa (ジャバ ワニンチ コクパ ウィシャニ カイタンミ ワニャルスカ)
Chaski ñawi chusu (チャスキ ニャウイ チュス)
Qenchaya kurqa inti kuninku suwa (ケンチャヤ クルカ インティ クニンク スワ)
Q’enqo ñaqosqa (ケンコー ニャコスカ)

ケチュア語テイストはたっぷりですが、まったく意味不明です。
例えば、最初の台詞の tuta は夜を表す単語です。
あちこちに出てくる sqa スカという音で終わる単語は形容詞の形です。
また、ちょっと変えるとケチュア語になるような単語もたくさんあり、例えば wishani は willashani だと「お知らせしている」という意味になります。

この会話で一番面白かったのは Chaski ñawi という部分です。
ケチュア語で Ch’aska ñawi (チャスカ ニャウイ)という言い回しは、目に輝きのある女性をほめる時に使います。
Ch’aska は星を、 ñawi は目を表します。
しかし、グリードはChaski ñawi (チャスキ ニャウイ)と言っています。
Chaski はインカ時代の飛脚を表す言葉です。
「飛脚の目」とはいったいどういうことなんでしょうか???

ここまで見て、スターウォーズのハット語は確実にケチュア語の単語や語感を使用して創作されたこと、またケチュア語としては意味を持たないことが分かってきました。
このグリードというキャラクターはこのシーンで死んでしまうので、この後からは別のキャラクターのハット語を聞くことになります。

EP.4 CGで追加されたジャバ・ザ・ハットのハット語

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このシーンはハット語の作者が違うようだ

53分くらいの部分からハン・ソロとジャバ・ザ・ハットの会話のシーンがあります。
ここでジャバ・ザ・ハットは終始ハット語で話すのですが、このハット語にはケチュア語の要素は一切感じませんでした。

そこで、ちょっと調べてみると、このシーンはもともとはジャバ・ザ・ハットは英語で話す人間として撮影されていましたが、そのシーンはカットされ上映されませんでした。
その後、エピソード6の撮影時に、ジャバ・ザ・ハットは人間ではなく、異星人のまがまがしいクリーチャーにするという案が採用されます。
エピソード4のカットされたシーンはその後、CGが発展したため俳優が演じていたジャバ・ザ・ハットの上にCGで描いたジャバを登場させ、英語ではなくハット語を話すよう編集がされました。
ですから、このシーンのハット語は旧3部作撮影時に作られた台詞ではなく、CG処理を加えて再編集された特別篇の際に加えられたハット語だということです。
私の推測ではありますが、このシーンのハット語は映画公開から随分後に加えられたので、以前に作成されたハット語と作者が違うのでしょう。
(映画の公開は1977年だが、このシーンが追加された特別篇の公開は1997年と20年も異なる)
これが、このハット語にケチュア語の要素がない理由なのかもしれません

エピソード4で見ることのできるハット語はここまでです。

エピソード5 / 帝国の逆襲 でのハット語

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C-3POと近いタイプのドロイドE-3POは何やらハット語で汚い言葉を・・・

エピソード5にはハット語のシーンはないと思われますが、もしかしたらこのシーンがハット語かもしれないというものを見つけました。
ランド・カルリジアンの治めるクラウド・シティにハン・ソロ一行が到着し、建物の中を歩いているときにC-3POが他のプロトコル・ドロイド(E-3PO)を出会い、仲間だと思って声をかけます。
するとE-3POは「Ichhuta (イチュータ)」と言って、どこかへ行ってしまい、C-3POは失礼だと怒るシーンです。
私の見たビデオだと1:22:18のタイミングです。
Ichhu とはケチュア語でのことです。
英語のハット語マニアのサイトによると、このセリフの意味は非常に下品なので、下に反転白文字で見えないように解説しますね。
そのサイトによると、このセリフは恐らく “Go f–k yourself.” だろうとされています。
ケチュア語の ichhu はケチュア語が話されるペルーの公用語であるスペイン語では Paja で、藁と言う意味と共に、俗語として「自慰行為」を指します。
もしかしたら、そんな意味も含めてこの ichhu が採用されたのかもしれませんが、たぶん深読みをしすぎでしょうね。
全体として、ケチュア語の意味とは関係なくケチュア語の音のみを参考にしている印象です。
たった一語だけなので、ハット語ともケチュア語とも断定できませんが、この発音の仕方とイントネーションは完全にケチュア語と同じなので、ハット語として台詞が作られたのだと思います。

エピソード5にはジャバ・ザ・ハットのお抱え賞金稼ぎのボバ・フェットも登場しますが、ダース・ベイダーと普通に英語で会話をしていたので、これ以上ハット語は登場していないものと思います。

エピソード6 / ジェダイの帰還 でのハット語

エピソード6はタトゥイーンのシーンで始まり、物語の最初の部分はハット語がたくさん登場します。
では早速、シーン毎のハット語の中のケチュア語を見ていきましょう。

EP. 6 ゲートキーパー・ドロイドのハット語

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この目玉だけのドロイドもハット語を話す

エピソード6の開始から5分あたり、C-3POとR2-D2がジャバ・ザ・ハットの宮殿に潜入するために扉を叩くシーン。
門番のゲートキーパー・ドロイド「TT-8L/Y7」がハット語で対応します。
全体的にケチュア語の特徴である語尾やイントネーションを持つ言葉が多いですが、明らかにケチュア語だというものを抜き出すと以下の例となります。

haku (ハク)
Maypi kashan (マイピ カシャン)

この haku というのはケチュア語で「行こう」という単語で、英語でいうところの Let’s go に相当し、会話でも頻繁に用いられます。
また Maypi kashan はケチュア語で「どこにいるの?」もしくは「どこにあるの?」を意味し、やはり頻繁に耳にする言葉です。

他にも、***ta、***yki、***qa などケチュア語の特徴的な語尾を使っている箇所が多くあります。

 

EP. 6 ビブ・フォーチュナのハット語

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ビブ・フォチューナのハット語にケチュア語要素なし

続くシーンではビブ・フォーチュナ(Bib Fortuna)という名の、気味の悪いジャバ・ザ・ハットの側近が登場します。
C-3POと会話のやりとりが5回ほどあるのですが、どれもケチュア語の要素はありません。
この後も、ビブ・フォーチュナが登場するシーンで話す言葉はどれもケチュア語の雰囲気のないものでした。

しかしこのシーンの直後、思わぬところでケチュア語の音声が聞こえてきました。

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沢山の会話の中からケチュア語のフレーズが聞こえてくる

R2-D2とC-3POがビブ・フォーチュナに連れられて、ジャバ・ザ・ハットのいる広間に入ってくる時に、群衆の騒音に交じって”Chaski ñawi”(チャスキ ニャウイ)という言葉が聞こえてきます。
これはEP. 4 に登場したグリードの台詞と同じです。
スタッフがこのセリフを気に入っていたのでしょうか。
ケチュア語ではとても変な意味なので、不思議なところです。

EP. 6 ジャバ・ザ・ハットのハット語

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遂に登場ジャバ・ザ・ハット

2体のドロイドが主人であるルーク・スカイウォーカーからの伝言をジャバ・ザ・ハットに伝えるシーンで、ジャバが沢山ハット語を話します。
聞き取れたフレーズはこんな感じです。

Picha wanchi qoqpa (ピチャ ワンチ コクパ)
Qannanmi tuchanki toroy (カンナンミ トゥチャンキ トロイ)
Solo fotumaqe challa (ソロ フォトゥマケ チャヤ)

ケチュア語としては全く意味がないですが、音の感じや語尾など、かなりケチュア語っぽいです。
タモリさんのハナモゲラ語のように、ケチュア語の特徴を捉えてメチャクチャに話しているような感じですね。

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チューバッカの懸賞金交渉でのハット語

続いて、賞金稼ぎに扮したレイア姫がチューバッカの懸賞金を交渉するシーンでもハット語を聞くことができます。
このシーンのハット語もケチュア語っぽい音が多いですが、その中ではっきり聞き取れたケチュア語がこちら

Munankichu ahh!! (ムナンキチュ)

5000は高い!とジャバ・ザ・ハットが声を荒げるところですが、Munankichu とは「望む・欲する」という動詞の二人称の活用です。
「欲しいというのか!」といった感じに聞こえます。
明らかにケチュア語から取っていますね。

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ジャバとビブのしたり顔がすごい。ヤーチャーニーチュー!!

続いて、賞金稼ぎに扮したレイア姫がハン・ソロをカーボン冷凍から解凍し助け出したのち、それを予想していたジャバ・ザ・ハット一味が現れて2人をしょっ引きます。
ハン・ソロの言い訳に対して、ジャバはハット語で数回返答しますが、この会話もケチュア語風の会話でした。
そして最後に一言

Yachanichu!! (ヤチャニチュ!)

字幕では「連れていけ」となっていますが、Yachanichu はケチュア語で「知る」という動詞の一人称 Yachani に否定文の時や疑問文の際に語尾に付ける chu を足した状態で、よく “Manan yachanichu” (僕は知らないよ)といった風に使用される語です。
あまりのミスマッチに思わず吹き出しそうになりました。

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ビブ・フォーチュナは恐らくハット語を話していない

レイア姫もジャバ・ザ・ハットに捕まってしまい、ついに真打ルーク・スカイウォーカーがジャバの宮殿に乗り込んできます。
そこをビブ・フォーチュナが現れて侵入を止めようとするシーンですが、ビブ・フォーチュナの話す言葉は、これまでたくさん聞いて耳なじんできたハット語とは明らかに違う印象です。
もちろん、ケチュア語的な音もありません。
多分、彼が話すのはハット語ではないのではないでしょうか。

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ついにルークとジャバが対面

ルークはジャバ・ザ・ハットとついに対面し、ハン・ソロとチューバッカを返すよう主張します。
ジャバはハット語で返事をしますが、この部分のハット語はケチュア語風の語感がありながらも、ケチュア語として意味を感じる部分はありません。
勝手な想像ですが、台詞を担当するスタッフがハット語を作り慣れてきて、ケチュア語の単語をそのまま使用せずに、似たような雰囲気だけ残すことができるようになったのでは?

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もう一度「ヤーチャーニーチュー!!」

ルークは怪獣ランコアとの対決に勝利するも、結局ジャバに捕まり、ハン・ソロとともに処刑されることに。
ここで、字幕は出ていないのですが、再度「連れていけ」の時の台詞 “Yahcanichu!!” が出ました!
ハット語で「連れていけ」は「ヤチャニチュ」と言うということが、2回とも同じだったので整合が取れています。

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かわいそうすぎるレイア姫をハット語で口説く

ルーク達の処刑のため、セール・バージという船で砂漠に向かう途中、ジャバ・ザ・ハットはレイア姫を口説くような台詞を言います。

Chatuu maleya kanki (チャトゥー マレヤ カンキ)
Yari marun kayrani (ヤリ マルン カイラニ)

このセリフもケチュア語としては意味を持ちませんが、最初の文の語尾の kanki はケチュア語のbe動詞の二人称、2番目の文の文末の rani はケチュア語の動詞の一人称過去形の活用と同じ形です。
なので、ケチュア語のような雰囲気が残っています。

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ボニータ??まさかスペイン語を??

一行がサーラックという怪物が済むカークーンの大穴に到着した際に、ジャバ・ザ・ハットが言うセリフが「ボーニーター」。
一瞬耳を疑いましたが、リピートしてみても「ボニータ」と言っているように聞こえます。
Bonita とはスペイン語でかわいこちゃん、もしくはかわいいものを指す時に使う単語です。
もしや、ハット語にはスペイン語も取り込まれているのか??
単なる偶然かもしれませんが、ケチュア語話者にはスペイン語とのバイリンガルが多いので、何とも言えません。

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「落とせ」 これが作中最後の(まともな)台詞になるとは

いよいよルーク達をサーラックが済む穴に落とす瞬間、ジャバ・ザ・ハットが号令を出します。

Kus yuraq (クス ユラク)

この Yuraq という語はケチュア語で色の「白」を表す言葉です。
なぜ、最後の台詞にこの語を当てたのでしょうね。
この後、ジャバ・ザ・ハットはルーク達の反撃にあい、レイア姫に鎖で首を絞められ、推定600歳の生涯を終えるのでした。

ここまでで、スターウォーズ旧三部作に登場するハット語とケチュア語との比較検証を行いました。
では、新三部作のハット語はどうなんでしょう?
早速見てみましょう。

 

エピソード1 / ファントム・メナス でのハット語

EP. 1 ファントム・メナスでは、主人公のアナキン・スカイウォーカーが奴隷として住んでいる星が、ジャバ・ザ・ハットの本拠地である惑星タトゥイーンです。
ですから、たくさんのハット語を聞けるはずですが、はたして??

EP. 1 アナキンとワトーのハット語

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ワトーはアナキンとはハット語で話す

アナキン・スカイウォーカーを奴隷として所有しているガラクタショップの主人ワトーは、現地の人と話すときはハット語を話す設定と言うことです。
それで、アナキンとワトーが話すシーンを見てみましたが、旧三部作のハット語に幾らか似ているものの、異なる作りであると感じました。
もちろん、ケチュア語的な響きはありません。
もう、新三部作のハット語にはケチュア語の要素は含まれないのでしょうか?
確かめるために、他のシーンも見てみました。

EP. 1 アナキンとセブルバのハット語

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セブルバよ、子供相手に大人げないだろう・・

ジャージャー・ビンクスに襲い掛かったセブルバをアナキンが止めに入るシーンで、アナキンとセブルバのハット語での会話があります。
しかし、やはりケチュア語らしさはなく、旧三部作のハット語とは聞いた雰囲気も異なっている感じです。

 

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子供相手に何てことを言うんだ!

ポッドレースの直前に、セブルバがアナキンに宣戦布告?をしに来ます。
ここのハット語も、ケチュア語っぽさはないのですが、この「バンサの餌にしてやる」の台詞に見覚えが!

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これは悪口の定番なんでしょうか?

やっぱりありました。
ジャバ・ザ・ハットがハン・ソロ に向けていった台詞と同じです。
バンサの餌と言う語が “Banth poodoo” というらしく、それ以外の部分は上の二つの台詞は異なる発音をしています。
旧三部作と新三部作ではケチュア語は異なる様に思いますが、目立つ単語の整合は取っているようです。

 

EP. 1 ポッドレース開始時のジャバ・ザ・ハットのハット語

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ポッドレースのスタートの掛け声のために、主催者のジャバ・ザ・ハットが登場します。
随分あっさりだなと思うくらい言葉少なにハット語を話しますが、やはり旧三部作とは異なる雰囲気のハット語です。

 

 

エピソード2 / クローンの攻撃 でのハット語

EP. 2 にちょっとだけハット語のシーンがあります。
多分、ハット語が作中に登場するのはこれが最後だと思います。

EP. 2 アナキンとワトーのハット語

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アナキンが母親のシミ・スカイウォーアーを探しにタトゥイーンのモス・エスパにいるワトーを再び訪ねた際に、すこしハット語が話されます。
「チャト チャト ワトー」という挨拶のフレーズが印象的ですが、ここもやはり旧三部作のハット語とは雰囲気が異なります。

 

結論と推測

古いバージョンの映像を見ていない、スピンオフを見ていない、文献を読んでいないなどの理由で、私が偉そうにハット語を評価できません。
ただ、ハット語がケチュア語を参考にしているのか?と言う点に関しては、ここまでハット語の登場シーンの全て(たぶん)を見て、分かったことがあります。

旧三部作のハット語はケチュア語を参考にしている。

これは確実にそうだと言い切れます。
たまたまではありえない程に、語感を似せてある上に、時にケチュア語の単語をそのまんま使っています。

新三部作のハット語はケチュア語の要素を含んでいない

これも確信があります。
旧三部作とはハット語の台詞の作り方が異なるのでしょう。
異星語の作り方のノウハウが出来上がり、既存の言語を利用する必要がなくなったのかもしれません。
もしくは、単にケチュア語を知るスタッフがいなかっただけかもしれません。
いずれにしても、旧三部作と新三部作のハット語は全く異なっています。
(「バンサの餌」のように目立つ台詞は共通して使われているようですが)

ハット語の台詞はキャラクターごとに別個に作られている

ハット語という言語を作ってから、それぞれのキャラクターごとに台詞を当てているのではなく、各キャラクターごとに雰囲気に合った台詞が作られているという印象です。
どういうことかと言うと、キャラクターごとにハット語の話し方や音の使い方が異なっているように感じます。
グリード、ジャバ・ザ・ハット、ゲートキーパー・ドロイド、RA-7、ビブ・フォーチュナというハット語の話者がいるわけですが、それぞれの台詞の印象がみんな違っているためです。
単に声の調子だけではない違いをキャラクターごとに感じます。
そもそも、ビブ・フォーチュナのハット語にはケチュア語成分がないので、ビブ・フォーチュナがハット語ではない別の言語を話している可能性もあります。

ハット語の台詞を作った人はケチュア語のネイティブではない

これもほぼ確実だと思います。
もしネイティブがケチュア語をベースにハット語の台詞を書こうとする場合、ケチュア語に似せていくか、むしろできるだけ遠ざけるか、どちらかになると思います。
しかし、ハット語の台詞には急にケチュア語そのまんまの単語をぶち込んで来たり、かと思えば、全然ケチュア語に関係ない単語だけの文を入れてきたりと、作為性を感じません。
これは、ケチュア語学習者、もしくはケチュア語をちょっと辞書などで調べながら適当にちりばめたということでしょう。

作中に2回も出てくる「チャスキ・ニャウイ」という言葉からも、この点が推察できます。
もしネイティブならケチュア語に既に存在する「チャスカ・ニャウイ」という語が浮かんでしまうので、正しい言葉に合わせるか、もしくは別の単語と組み合わせて似ないようにすることでしょう。

 

最後に

これだけハット語のシーンをじっくり見て感じたのは、スターウォーズは世界観の作りこみがすごいという点です。
異星語を考えるなんて本当に面倒なものでしょうが、ハット語の雰囲気が変わらないように「ケチュア語」をベースにして雰囲気を保っていたわけです。
なので、新三部作でケチュア語を使っていなかったのは、ケチュア語学習者としてはちょっぴり残念です。

また、世界にはハット語を言語として学ぶ人もいる(といってもジョークの範囲でしょうが)ようですが、旧三部作と新三部作でハット語が別物であると分かった以上、ハット語の単語や文法を研究することには意味がないと思います。(あくまで個人的な意見ですよ!)
ハット語自体にはいくつかの単語の意味は決まっているものの、文法などの体系まで細かい設定はされていないと思います。
スターウォーズ・ファンは、ハット語を勉強するよりは、ヨーダやジャージャー・ビンクスの独特な英語の話し方の練習でもした方がいいのではないでしょうか。

大変長くなりましたが、ハット語とケチュア語の関係の検証を終えたいと思います。
私自身はスターウォーズに詳しいわけではないので、ご意見・ご指摘ございましたら、コメント欄にお手柔らかにお願いします。

 

 

Machuyo.com 管理人及びプログラマー。
「地球の歩き方」や「トラベルコちゃん」等にコラム執筆経験あり。

コメント コメントを追加

  1. Seymi より:

    はじめまして
    ケチュア語に聞こえて検索したらこのページに来ました。
    なかなか面白かったです。

    1. Jorge より:

      ありがとうございます。
      まず、ハット語を聞いて、ケチュア語に聞こえたというのがすごいですね。
      ペルーに滞在したことがおありなのでしょうか。

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